テラリウムの土『ソイル』について紹介します。使う植物は「苔」を前提としています。
テラリウムの土『ソイル』
メインの植物を支えてくれるソイル(土)。
植物や流木などの、鮮やかな緑や景観を作り出す素材に目が行きがちですが、ソイルもテラリウムを作るうえで重要な部分となってきます。
縁の下の力持ちであるソイルについて見ていきましょう。
苔テラリウムに必要な要素・条件
園芸コーナーに行くと、様々な土が準備されています。
いったいどれを選んでよいのか迷ってしまいます。
そもそも自生している苔を見てみると、森林の中にはもちろんですが、道路の片隅や、岩の上でもよく見かけます。
苔には根が無く、根のように見えているものは体を支えている「仮根」と呼ばれるものです。(ただ、仮根を持たない苔も多数あります)
水分などは地中からではなく、空気中のものを吸収しています。
従ってソイルは特に無くても育ちます。
ただ、「苔の好む環境を作り出す」為にソイルは重要となってきます。
多くの苔の好む環境に近づけていきましょう。
保水性がある
まず苔はみなさんもイメージがあると思いますが、湿度を好むものが多くあります。
その為、乾燥しないように「保水性」のあるソイルが適しています。
排水性がある
湿度が好きといっても、それは空気中の話で、水浸しになるような状況は好みません。
水中でも育つような苔を除き、水が溜まるような状況は避けたいものです。
苔が痛む原因にもなりますし、カビの発生にもつながります。
通気性がある
苔は蒸れに弱いものが多く、夏場の暑い室内では注意が特に必要となります。
ガラスの中という特殊な環境の為、蒸れやすい状態となっています。
その為、通気性が保たれるようにしなければなりません。
清潔な物
室内で楽しむことの多いテラリウム。
カビの発生や虫が寄ってきたりしては、せっかくの和み空間が台無しになってしまいます。
これらを防ぐには、外から採ってきたような土は避け、殺菌処理してあるものを使う必要があります。
インターネット上のコメントを読むと、「100円ショップの土を使ったところ虫が湧いた」などを見かけます。
虫は外からくるものなので、もともと土の中に潜んでいたものか判断に迷いますが、殺菌処理をしている商品を選んだ方が無難でしょう。
弱酸性
自然にもたくさん自生している苔ですので、似た環境に寄るようにします。
雨は弱酸性で、土壌も弱酸性となっていますので、それに合わせましょう。
栄養は不要
水分の吸収でもそうですが、苔は土から吸収はしていません。
ですので、ソイルに栄養要素は不要です。
逆に栄養の多い土を使ってしまうと、カビや虫が寄り付く原因となってしまうので、避けたいところです。
よく使われる土
必要な要素や条件を踏まえたうえで、どのような土が使われているか見てみましょう。
赤玉土
言わずと知れた、園芸やガーデニングの土の代表格で、東京周辺の関東ローム層のことです。
どのホームセンターに行っても目立つところに陳列されています。
苔テラリウムに欲しい「通気性」「保水性」「弱酸性」などの条件を満たしています。
また、「硬質」であれば、焼成してつくりますので「殺菌」されています。
肥料成分もないので、カビや虫対策としても完璧ですね。
盆栽・古典園芸用の万能用土として、古くから使われている用土の一種である。 盆栽や古典園芸の植物の土壌として使用され、天然の粒状の粘土のような無機質土で、褐色で粒状の形状をなしている。弱酸性を示し、通気性、保水性、保肥性に富む。
出典:Wikipedia
バーミキュライト
ケイ酸塩鉱物を高温で加熱し、膨張してできたものです。
「保水性・通気性」に優れています。
また、製造過程で加熱しますので、「殺菌」されておりほぼ無菌状態となっています。
農業や園芸に使われる土壌改良用の土。
多孔質で非常に軽く、保水性・通気性・保肥性がある。pHもほぼ中性である(アルカリ性のものもある)。ピートモスや赤玉土などと混ぜて使用する。ほぼ無菌なので、ガーデニングにおける挿し木用土、種蒔き用土として使われる。
出典:Wikipedia
富士砂
富士山麓に堆積した火山灰から作られています。
「多孔質」「通気性」「排水性」に優れています。
「多孔性」という特徴を生かし、苔の仮根が絡みやすい環境を作ることができます。
ハイドロボール
ハイドロが水という意味を持ち、土を使わないで栽培する時に使用します。
栄養が不要な為、手軽に土の代わりとして使うことができます。
くん炭
籾殻(もみがら)を加熱し炭化させて作ります。
「保水性」「通気性」「排水性」に優れています。
また特徴として炭による「消毒」「殺菌」「浄化」の効果があることです。
ソイルを使っていると、どうしても汚れやホコリなどが混入してしまいソイルを汚してしまいがちです。
また苔を育てていると、老廃物も出てきます。
そんな時、殺菌・浄化の効果のある「くん炭」が入っていると安心ですね。
ピートモス
苔などの植物が蓄積しつくられた泥炭から作られたもの。
「通気性」「保水性」に優れています。
ミズゴケ類などの蘚苔類、ヨシ、スゲ、ヌマガヤ、ヤナギなどの植物が堆積し、腐植化した泥炭(でいたん)を脱水、粉砕、選別したもの。農業、園芸用土、もしくは土壌改良材として用いられる。
通気性、保水性、保肥性が高く、有機酸を含むため、通常酸性を示すが、石灰を加えて中和し、中性にしたものもある。
出典:Wikipedia
おすすめの『ソイル』
おすすめ
・焼成硬質赤玉土(細粒)※粒サイズ1~2mm
・富士砂(細目)※粒サイズ~3mm
・くん炭
この3種類を配合!
(1)焼成硬質赤玉土(細粒)※粒サイズ1~2mm
ベースは入手しやすいことを考え、「赤玉土」がいいでしょう。
「通気性」「保水性」「弱酸性」があり、また硬質を選ぶことで、「殺菌」もされています。
粒サイズがいろいろありますが、小さな苔などの植物を扱う為、できるだけ細かなものを選びます。
細粒として1~2mmの商品があったので、それをチョイスしました。
(2)富士砂(細目)※粒サイズ~3mm
そこに何を配合するかですが、私は「富士砂」を選びました。
苔を扱っている時によく思うのですが、「ちゃんと着生するかな?」です。
根が無い為、他の植物とは違った感覚です。
そこで、「富士砂」を入れて仮根を絡めやすくしています。
こちらも粒サイズがいろいろありますが、一番小さなサイズとして細目~3mmの商品があったので、それを選びました。
くん炭
最後に、ソイルをできるだけ無菌状態で長くきれいな状態を保っておきたいために「くん炭」を加えました。
『ソイル』を配合
赤玉土:富士砂:くん炭=8:1:1
配合に関しては、いろいろ考えましたが、最終的には「赤玉土:富士砂:くん炭=8:1:1」としました。
くん炭は通常1割程度の使用ですので、そのまま1割くらいとしました。
富士砂ですが、着生の足掛かりとなれば十分ですので、1~2割程度で良いかなと考え、それほど多くは配合しませんでした。
土入れを使って、バケツに入れていきます。
配合割合は、土入れのすり切れいっぱいを何杯か?で計算しました。
今回は、赤玉土8杯、富士砂1杯、くん炭1杯を入れています。
まんべんなく混ぜて、完成です。
ひとすくい取り出してみました。
とても使いやすくて、良さそうです♪
ぜひみなさんも土を作ってみてはいかがでしょうか。
入手方法?購入レビュー!
購入に関しては、「土の購入レビュー」や「入手方法・価格『土・砂』」が参考になると思いますので、ぜひチェックしてみてください。
<<土の購入レビュー記事>>